最近Netsketはモバイル回りが主力事業になりつつあるんですが、特に「広告」という切り口から今後はどうなるのかというのが、ここ1週間でいろいろと見えてきたので整理してみます。
モバイルの広告業界というのは
I:広告主
II:広告出稿媒体
III:広告代理店
の3者で回っている業界ですが、それぞれのカテゴリで様々なプレイヤーが存在するようです。
広告主カテゴリで言うと、大きく分けて、次のようなプレイヤーがいます
A:TVCMなどでもおなじみの大手企業
B:携帯公式サイトを提供するコンテンツプロバイダ(CP)
C:勝手サイトを運用するコンテンツプロバイダ
D:ECサイト
Aは携帯広告への参入は主に「プロモーション」で、モバイル広告の出稿形態としては、インプレッション広告やクリック保証広告、タイアップ広告などが主になるようです。モバイル広告についても、大手企業はほとんどが電○や博○堂傘下のいわゆるレップに取り込まれていて、独立系の代理店はほとんどの場合広告出稿の交渉すらできません。トヨタが車の販売を直接モバイルサイト上で行うなどしない限りは、当面大手媒体以外はAジャンルのプレイヤーを考える必要は無いかもしれません。
Bはキャリアの課金機能を使っている関係で、継続性のある新規ユーザを求めています。これまではキャリアの公式メニュー内での表示順位がとても重要で、この順位上げのためにクリック保証広告等に出稿するパターンが多かったのですが、docomoの公式メニューが入札制になり、他キャリアも追随する動きが見えそうということもあり、クリック保証形式の広告出稿はほとんど見込めなくなりそうです。ユーザの獲得には他にもアフィリエイト形式の広告を使いますが、登録ユーザの継続率を高めるには、インターネットリテラシーの低いユーザに対してのアプローチが必要なので、現状は広告の出向先がどんどん無くなっている状況です。これまでは、「いかにユーザに登録しているのを忘れさせるか」というのが収益化の肝だったのが、今後は「いかにユーザをアクティブにして、飽きられずに使いつづけてもらうか」ということを実践していかなければならない状況になり、公式系のCP間での熾烈な競争になっていくものと思われます。勝手サイトも力をつけてきている状況を考えると、どれだけキャリアの方で「フィルタリング」等の保護政策を取ろうともいつかは同様の土俵で勝負が始まると言わざるを得ません。
Cは個人HPから検索エンジンサイトまで、幅広くプレイヤーが存在するジャンルです。あまりにも勝手サイトが増えてきたため、作っただけではまずアクセス増は望めません。基本的にこのジャンルは広告モデルでの収益が主なので、(矛盾しているようですが)初期ユーザを集めるために広告を出稿する必要があります(他にもSEOやランキング、他サイトとのアクセストレードなど様々にやるべき事があります。)このジャンルでの広告以外の収益モデルは、課金モデルになりますが、会費を徴収出来るサービスはそれほど多くはありません(ほとんど出会い系やアダルト系かも。)現在注目を集めているジャンルは、キャリアの課金機能のみを契約し、疑似公式サイトのようなサービスを作ることですが、ある程度のPVを持つメディアを自前で所有していないと、ユーザを集めるのに多大な広告コストがかかる可能性が高いです。とはいえ、このジャンルが面白いのは、「同様のコンセプトを持つサービスが複数林立しても、それぞれ成り立つことが可能」ということです。PCの場合は同じコンセプトのサービスはほとんどが大手数サイトにユーザが集約されていきます。しかし、携帯サイトは規模の上下はあれ、複数のサービスが成り立っているのです。
これは、大きく2つの理由が考えられます。
一つは、携帯ユーザは検索エンジンを利用する事がPCサイトユーザに比べて少ないということです。現状の携帯サイトは、口コミやランキング(公式メニューも広義でのランキング)でのユーザ導線が主流だからです。そもそも検索する事が面倒なのかもしれないし、モバイルライフスタイルの中に検索という行動がなじんでいないのかもしれません。何より、現状の携帯用検索エンジンは精度が悪すぎます。
もう一つは、ブラウザの仕様です。現状の携帯ブラウザは、複数のウィンドウを同時に開いて比較検討したりすることができません。ユーザの導線が一方向にしか向いていないのです。一度目にしたサービスはそこそこの要望を満たしていれば、そのサービスを使い続ける傾向にあると思います。(そのあたりが関係して、携帯サイトユーザは、より口コミに左右されるのかもしれません。)
いずれにせよ、PCと携帯のインターネット人口が逆転し、CSSやFlash等を使ったリッチなコンテンツが提供出来る土台が整いつつある現状、広告以外の課金モデル等で新しいサービスが今後どんどんできていくのは間違い無いと思われます。多くの場合、低料金化と検閲されないコミュニティ機能をベースに公式サイトのユーザをどんどん食っていく状況になると思います。
Dは今後もっとも携帯業界への参入を加速するプレイヤーだと思います。携帯で物を買う事が、女性を中心に当たり前の事になりつつあるようです。ある程度のブランドを確立した商品だけではなく、マイナーブランドの洋服などが携帯サイトで売れるようになったり、一般の店舗で購入しづらい用品(物理的に運搬が面倒な商品や、コンプレックス系商品、性関連商品)が現状売上を伸ばしているようです。携帯で買い物をする事に抵抗のない層が今後どんどん出てくるでしょう。広告出稿面で考えると、現状のアフィリエイトは天国のような状況です。というのも通常の店舗では新規顧客を獲得するのに、新規顧客が初回購入して得られる利益以上の広告宣伝費をかけなければ行けない所を、アフィリエイトを使うと初回購入時で利益が出てしまうからです。オンラインショップはリピーターを確保するツールや手法がが山のように存在するので、一度購入してもらえばその顧客から継続的にかつ、容易に収益を発生させることが可能です。広告業界的には個性のある商品を持つECサイトをいかに確保するのか、ということが今後の肝になりそうです。
現状も、広告出稿のニーズに対して、掲載可能な媒体の数が圧倒的に不足している状況もあり、Dジャンルの広告出稿に関してよりよい媒体を確保するための広告出稿料金の引き上げ競争が始まると思われます。
IIについては、後ほど。